Amazon Echoを中心としたスマートホームエコシステムを形成しつつあるAmazonですが、アレクサのスキルを通してアプリケーションプロバイダーたちがスマートホーム関連の製品を簡単に開発、販売することで開発ネットワークを作っているだけではなく、消費者に対しても水面下でアプローチが進んでいるのをご存知でしょうか。
それはAmazonでテレビを購入したときのことです。私の家ではテレビモニターを壁につけているので、新しいモニターの取り付け作業を業者に頼む必要がありました。購入の際に、『Amazonに取り付け作業を頼む』という選択ボタンがあったため、またその他の業者に頼むより安かったため(100ドル以下で取り付けてくれる)それを頼みました。
数日後、Amazonからモニターが届き、取り付け作業をしてくれる人が数人来ました。作業が終わって退出する際に、我が家のドアにスマートロックが付いているのを見て、『スマートホームに興味があるの?』と聞かれました。我が家ではAmazon EchoとEcho Dot数機を使い回していますので『もちろんある』と答えたところ、『僕はAmazonの社員でスマートホームコンサルテーションをしているから、スマートホームコンサルテーションページ に行って、予約を入れたら無料コンサルにくるよ』ということでした。
※日本ではスマートホームコンサルテーションサービスは提供されておりません。(2018年4月現在)
Amazonスマートホームコンサルテーションページ(英語ページのみ)はこちら
数日後、無料コンサルテーションをウェブサイトから予約し、二人の担当者に来てもらいました。
手順としては
スマートホームコンサルテーションページに行って頼みたいサービスを選ぶ。コンサルテーション、スマートロック、スマートセキュリティカメラ、スマートライト、スマートスイッチ等取り付けサービス、Wi-Fiアセスメント、アレクサコンサルテーションなどがあります。今回は家にきて、どこからスマートホームを始めれば良いかをざっくばらんに話してくれるスマートホームコンサルテーションを選びました。
家に来て欲しい日時を選びます。1時間単位で具体的に、例えば3月10日の14時にきてくれ、というように選べます。
無料のオーダーボタンをクリックして完了。
コンサルテーション当日、担当者から確認のテキストが届きました。そして14時きっかりに二人の担当者がやってきました。
やりとりとしては、非常にカジュアルなもので、二人からどんなニーズがあるかと聞かれたので、普段生活していて感じている不満や問題を色々とテーブルに座って話しました。私の課題としては、以下のようなものがありました。
・キッチン、冷蔵庫まわりもスマートホーム化して自動化できるところはしたい。
・Hueを使ってライトもアレクサで明るさをコントロール出来るようにしているが、天井についているライトはHueがつけられない。電気工事しないでどうにかアレクサと連動できないか、教えて欲しい。
・今欲しいものはスマートセキュリティカメラ。夜になると家の周りが暗くなるので、どれがいいか教えて欲しい。
・子どもがiPadやテレビでHuluやNetflix、キッズYouTubeをずっと見続けては困る。
・アレクサの便利な使い方、知っておくべきスキルがあれば教えて欲しい。
そういった私の消費者としての課題に対して、『それならこのサービスがおすすめ』『電気工事もAmazonに頼めば業者を手配してくれるよ』と的確かつ具体的なアドバイスをくれました。そして約40分のコンサルテーションセッションが終わり、二人が帰ったあと1時間ほどして、担当者から『今日話したおすすめ商品のリストを送ります』とリンクが送られてきました。
おすすめリストに入っていたものは、
※ご紹介するページは全て英語ページのみとなります。
●スマートドアベル
家に誰かがきた時、チャイムが鳴った時などに瞬間的にモバイルやタブレットからカメラで見られて、話ができるドアベルです。これも購入予定。
●スマートセンサー
部屋の湿度や温度を察知して、アレクサと連動して室内を快適な環境に保ってくれるセンサー。同時に省エネ実現もしてくれる。
などです。
コンサルテーション自体はこれで終わりですが、色々なことが網羅的に学べて非常に有意義だと感じました。Amazonの社員が実際に家に無料で来てくれることで、社員が実際にスマートホームデバイスをどう使っているかが聞けて役立ちます。
担当者は、『今僕は出張中で、シアトルの自宅には妊娠7ヶ月の妻と2歳の子どもがいるんだけど、カメラ付きのスマートドアベルだったら出張先からも誰が家に来たかすぐモバイルで分かるし、例えば宗教の勧誘が来たら妻が『興味ないです』とドア越しに言うより、僕が『興味ないです』とスマートドアベルのスピーカーを通して言った方が安心するんだ。向こうはまさか僕が出張先から話しているとは気がつかないし、とても便利だよ。』という使用例を話してくれました。
Amazon社員としても、実際の消費者の家に来ることで、どういう風にスマートホーム商品が使われているかも見られるだけではなく、消費者の生の声も聞ける。そして家関連で特に重要な意思決定者である女性(妻、母など)に直接商品の利便性を伝えることで最終的にはAmazon上での消費を促し、アレクサを中心としたスマートホームエコシステムが消費者サイドからも形成されていくような戦略なのではないかと、感じました。一消費者としては、無料コンサルテーションは中身のあるものであったのでかなり満足したものとなり、今後さらに我が家はスマートホーム化していくだろうと思います。
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
※石角友愛の著書一覧
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