プラットフォームからの離脱を求めるホスト達
Airbnbのビジネスモデルは、ホスト(家を掲載する人)が家を掲載して、ゲスト(旅行客)が泊まったら手数料を徴収するモデルです。手数料は宿泊費の3%をとるモデルでした。コロナ危機が始まってから大量のキャンセルが発生して、通常支払われるべきキャンセル料の25%ほどしかAirbnbが支払わなかったことから、多くのホストに不満が溜まっていました。
そこで、ホスト達は自分たちの専用ブッキングサイトを立ち上げる動きを起こしています。私の友人でAirbnbのホストビジネスをずっとしている人がいますが、彼女によると、お客さんはリピーターが多く、しかも近くの街から週末などに理由する人が多いとのこと。その場合、Airbnbなどの巨大プラットフォームで集客しなくても、自分たちのディレクトサイトを立ち上げても売り上げはある程度維持できると考える人もいるのかもしれません。
Airbnbが最も恐れていることは、ホストを失うことです。掲載される家が減れば減るほど、プラットフォームの価値が下がり、旅行客の集客コストも上がります。
今後、Airbnbが注力すべきホストとの関係性の再構築ですが、非常に難しいのではないかと考えます。私の周りでも、Airbnbから離脱して別の会社で掲載や部屋の管理まで頼んでいる人もいます。また、Airbnbの競合優位性でもあった、高い参入障壁は、グローバルネットワーク(世界各国にホストと旅行客のネットワークを持つこと)を持つことで成り立っていましたが、これから人々はよりローカルな旅行を好むようになるのであれば、そこに価値は生まれません。より、ローカルに絞ったバーティカル型のプレイヤーが求められるようになり、それであれば参入障壁もかなり低くなります。
私もいつかは全く心配せずに飛行機に乗って家族旅行をしたいと夢を見ることもありますが、現実的ではないというのが現状です。都市封鎖が解除された後も、もし旅行らしい旅行をするとしても(これすら現実的ではないですが)、一番感染リスクが低い自家用車による移動手段を選ぶと思いますので、結果的にローカルな旅行になるかと思います。旅行業界が大きく変革を起こしていると感じます。 |