コロナで変容するシリコンバレー企業の「福利厚生」
…Googleは「ハイブリッド型」推進、複数企業で根本見直し始まるか
こんにちは。パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナーの石角友愛です。2020年も終わりに近づき、皆さんも今年を振り返る時間ができているのではないでしょうか。2020年はコロナウイルスパンデミックだけではなく、BLMなどの歴史的社会ムーブメントも起こりました。
まさに教科書に残るような年になりましたが、ビジネス界においても今後のあり方を変える大きな変化がありました。その一つが、リモートワークの定着化です。
リサーチ会社のガートナー(Gartner)が2020年4月に発表した統計によると、アメリカの317人のCFOに行なった調査で、74%もの会社が「アフターコロナでもフルリモートを何かしら維持する意向である」と回答しました。
コロナ危機で経費削減のプレッシャーが押し寄せる中、リモートワークに移行したことで、大きく収益性が改善する可能性があることが分かったという示唆が挙げられています。中には、アフターコロナも社員の20%をフルリモートにする意向だという会社も全体の25%近くいました。
フルリモート、または、半リモートという働き方がアフターコロナでも定着する可能性が高いことがデータを見ても分かります。
シリコンバレーを代表するテック企業に関しても、Twitterが一番最初に恒久的にリモートワークを認めると発表、それに続いてFacebookやグーグルもリモートワークの期間を2021年夏まで延長し、その後も社員の意向を尊重してリモート化を推進すると発表しました。
実際に私の友人でNVIDIAやアップル本社に勤めている人も皆リモートワークをしており、オフィスに出勤するためには上司やその上司の許可を取らなければいけないという非常に徹底したシステムになっているようです。
例えばグーグルは2010年頃、最も働きたい会社に選ばれ、そのオフィス環境の素晴らしさが目立っていました。当時、社員が利用する食堂やカフェテリアが全て無料だということは珍しく、社員のリテンションにも繋がっていた「Perks」(福利厚生や手当てのような直接的なベネフィットではない、社員への特典)になっていました。
それら全てがリモートワークが定着することで、以前ほどの効力を持たないことになります。
各企業はどんな戦略の方向転換を行って、「リモートワーカーのやる気維持」をしているのでしょうか。
Googleを傘下にもつアルファベットCEOのサンダー・ピチャイ氏は、12月に社員宛てに送ったEメールで、リモートワークを2021年9月まで延長と発表。ただし、社員の職種や居住地域のコロナ感染リスクによっては、割り当てられたオフィスから通勤距離内に住む必要があり、週に3日は会社に来ることが義務付けられるとしました。
Facebookとは対照的なアプローチをとるように見受けられます。
ピチャイ氏はEメールの中で「社内でのコラボレーションは今までと同じように重要になると確信している。生産性や社員の満足度を改善するために以下のパイロットを実験する」として、以下の3つの具体策を提案しました。
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
※石角友愛の著書一覧
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