今週の注目カンパニー
食品メーカー世界第3位*のペプシコ(ペプシコーラやドリトス、オートミールなど食品全般を製造販売するメーカー)は、先日ミートレスミート(植物からできた人工のお肉)最大手メーカーのビヨンド・ミートと新会社PLANeT(プラネット)を設立しました。
PLANeTでは、「ビヨンド・ミート社の専門知識とペプシコのマーケティング能力を融合させることで、植物性タンパク質を原料としたスナックや飲料を開発、製造、販売する」とのことですが、ペプシコはハンバーガーやタコスなど肉製品を使った商品をプラントベースに変えることが大きな目的ではないと考えられています。(もちろん、プラントベースチーズ味のチートスの開発もすると想定されますが)
この背景には、ペプシコが2019年に国連と締結をしたカーボン・ニュートラリティ(ライフサイクル全体で見たときに、二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になること。)に関する取り決めがあります。これによりペプシコは、2030年までにCO2排出量を20%減らす必要があります。(現在、世界中のCO2排出量の約30%は食品業界(特に畜産)によるものと言われており、大企業ではこのような取り組みが必須となってきています)
こういった取り決めの目標達成のために、食品業界はビヨンドミートのようなSustanability(将来に渡って、機能を失わずに続けていくことができるシステムやプロセス)の知見を持つ食品会社の技術やノウハウを手に入れる必要があるのです。
これはCarbon Neutrality as a Serviceと呼ぶこともでき、今後プラントベースの食品や製品を開発する会社が大きく発展する可能性がある理由の一つになっています。(最近ではビヨンドミートの競合企業であるインポッシブルフーズが、取締役として前国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局長のChristiana Figueres氏を迎えたことも記憶に新しいです。)
環境保護の観点からも、今後はプラントベースの会社の活動が大きくなりそうです。
ちなみに以前ビジネスインサイダーで私がビヨンドミートやインポッシブルフーズに書いて書いた記事はこちらです。宜しければご覧ください。
*食品メーカー世界1位はネスレ、2位はバドワイザーを作るABinBev |