今週の注目カンパニー
コンサルティングファーム大手のマッキンゼーが米国内の49州に対して6億ドル近い和解金を支払った事がニュースになりました。
内容は、過去20年間で45万人以上の死者を出したことからアメリカで深刻なパブリックヘルスの問題を担っているオピオイド危機に関してです。
マッキンゼーは、オキシコンチン(オピオイドを含む中毒性の高い鎮静剤)を製造していたパーデュー製薬に「ターボチャージ(需要増加による値段の釣り上げ)」に関する営業戦略とアドバイスを提供していたとして訴えられていたのです。
製薬会社はすでに罪に問われているのですが、今回の件では、製薬会社にコンサルをしていた会社が訴えられたということに意味があると思います。
マサチューセッツ州の司法長官であるモーラ・ヒーリー氏によると、膨大な証拠書類やeメールには「利益率の高い高用量薬の販売を強化すること」や、「過剰摂取となる量のオキシコンチンを患者に販売した医薬品販売業者にリベートを支払うこと」、「食品医薬品局による厳しい罰則を回避するために他のオピオイドメーカーと共謀すること」といった内容の経営戦略アドバイスが含まれていたとのことです。
これによりマッキンゼーが間接的にオピオイドの販売・流通を促進する手助けをして、クライアント企業である製薬会社が莫大な利益を生み出していたことが明らかになり、企業倫理が問われています。
マッキンセーは罪を認めてはいませんが、今後はクライアントの利益追求のためだけにコンサルをするのではなく、社会的責任や道義を考えながらコンサルサービスを提供しないといけないと言えるのではないでしょうか。 |