今週の注目カンパニー
米スタンフォード大学発のWoebotは、行動科学と精神医学を教える教授がCEOを務めるメンタルヘルス領域のチャットボットを扱うAIベンチャーです。
日経XTRENDの連載「パロアルトインサイト AIの次を読む」でも取り上げましたが、精神病を抱える患者に対し、単なる寂しさを紛らわす会話AIの提供ではなく、行動療法に基づくメソッドで改善を促すチャットボットを開発していることが特徴です。
先日、THE WALL STREET JOURNALで、「AIがセラピストの仕事を奪うか?」というテーマで精神科医や、スタートアップのCEOが議論する記事が掲載されていました。
注目するべきは、精神科医のJohn Torous氏のコメントで
「アプリの使用者が増えるにつれ、メンタルヘルスへの意識と関心、対面ケアの需要が高まる可能性があります。アプリの需要が増えることでビジネスを失うことを心配しているセラピストや精神科医には会ったことはありません。むしろ、アプリ運営会社は、アプリをサポートする臨床医の高まるニーズを満たすために、より多くのセラピストや精神科医を雇おうとしています。」
人間からAIに置き換えるのではなく、患者や精神科医、セラピストを含む人間をサポートできるテクノロジーこそがメンタルヘルスの未来に求められています。
Woebotは、まさにこのようなメンタルヘルス市場の動きを象徴している会社の一つとして注目しています。 |