AI開発により複雑なFAX受注の業務効率化を実現。ベストパーツ社のFAX受注自動化プロジェクト開発進行中
AIの導入・開発を行うパロアルトインサイトLLC(本社:サンフランシスコ州ベイエリア CEO:石角友愛)は、2020年6月より、ベストパーツ株式会社(所在地:宮城県仙台市、代表取締役:室橋勝彦)と『FAX受注自動化プロジェクト』において手書き文字を認識し機械学習するAI開発を行い現在推進中(終了予定日は2021年6月初旬)であることをお知らせ致します。
両社は、作業動線の効率化や労務管理の最適化を図るため、機械学習を行うAIの開発によるデジタイゼーション1を実現するべくプロジェクトを進めている。デジタル化された売上などに関する貴重な情報は、社内のデータベースへ保存し活用可能な情報としてデジタライゼーション2される。既存の踏襲されていたビジネスモデルの変革を遂げることが最終的なDX推進と想定している。また、本プロジェクトはベストパーツ社のDX実現に向けた中長期プロジェクトの取組である。
冷暖房等の住宅設備部品および部材の販売を行うベストパーツ社の取引先は、住宅設備機器メーカーや電気・ガス事業者、そしてホームセンター等と広範囲におよぶ。発注書の9割はFAXにて受信されるため、発注書を仕分けして内容をシステムへ入力し在庫と照合してオーダーをかけるというワークフローが今日まで踏襲されていた。発注書をオーダーするまで1件あたり10分から15分の作業時間を要する課題に対して、作業効率化を図りAIの導入から開発、実装までカスタマイズ可能な当社と本プロジェクトの発足に至った。
この度のプロジェクトでは、DX実現の前段階となるデジタイゼーションの段階から、ベストパーツ社社長・室橋勝彦氏にも打ち合わせへ必ず出席していただいた。打ち合わせにはIT開発会社も参画し、当社からはCTOやデータサイエンティストを交えた検討を重ねることで、デジタルトランスフォーメーションのフェーズ1「デジタイゼーション」の実現を目指している。
ベストパーツ社が保有している売上などに関するデータをアレンジしつつ、独自に開発されたインハウスAIを実装することで単なる業務効率化だけでなく競争優位性を高める資産としてのAIを持ったDXに期待ができる。
ベストパーツ社へ送信される発注書の様式は、同じ顧客でも営業所によって書式が異なる。注文書の納品先は手書きにて「引取りに伺います」と記載があるなど、各企業によっても違った形式が散見される。そのため、文字認識を特長とする「OCR(光学文字認識)」機能では対応不可能だった。そこで当社では、ベストパーツ社へ業務調査を行い、AI診断サービスを受けていただいた。AI診断を通して課題を抽出し、既存データの状態を検証、適切なAI実装計画を提案した。ベストパーツ社のニーズと環境に沿ったAIを個別に構築した。
FAXの読込をはじめ、複雑かつ多岐に渡る形式にて書かれている情報を機械学習していくAIモデルを開発。AI設計には当社のUXデザイナーが間に入り、UIを見せながらFAXの仕分け実務を行う現場担当者に耳を傾けるため細かい改良を重ねる。そうして具体的な現場の声も反映されたデザインへと仕上がっていく。UXデザイナーがAI設計者に対してフィードバックを行うことで常にPDCAサイクルを回すことにも成功した。
本システムを利用することにより、注文番号や納期、備考欄や発注先についての赤枠で囲まれている情報などを読み取ることができる。FAXの仕分け業務を効率化しそれまで充てられていた人員を減らし、FAXの仕分け業務ではない作業へ転換させることも可能となる。
効果の想定
検証フェーズはこれから行うが、想定される効果としてFAX一枚あたりの作業時間が半減しFAX受注全体の約8割をAIを利用して処理できるようになると期待される。
ベストパーツ社 代表取締役社長・室橋勝彦氏のコメント
「弊社の業務フローを作業者、管理者、経営者からヒアリングしたうえで作成された提案内容は、現状を踏まえた手が届きそうなフェーズに分けられていた。この度のフェーズ1では、 3年程度の経験を要する仕事と位置付けている業務プロセスをAIに置き換えた。これによりFAX受注プロセスでミスが発生しやすい繁忙期や受注締切時間の間際でも安定した品質を保てるだろう。また、この投資により、いわゆる働き盛りに多い育児や介護の休業による人繰りで困ることが無くなるのではないかとも期待している。」
パロアルトインサイトLLC CEO・石角友愛氏のコメント
「本プロジェクトは、成功するDX推進の条件が要所に散りばめられています。紙ベースで処理されている業務などを効率化するだけでなく、デジタル化された情報を活用して新たな価値を提供できる非常に上手く回っている事例です。
企業の意思決定を行う経営者自らが打ち合わせに出席することで現実的な期待値を持つことでプロジェクトのスピード感もよく他の企業が持たない資産としてAIを保有することとなります。
長期的なビジョンとなぜDX推進をするのかという明確な理由を持って取り組むことでDXの実現は投資対効果を実感できるプロジェクトになります。」
[ パロアルトインサイトLLC 会社概要 ]
会社名:パロアルトインサイトLLC
代表者:CEO 石角友愛
所在地:555 Bryant St. Suite 816, Palo Alto CA, 94301, USA
設立:2017年
事業内容:AI診断、AI導入のアドバイス、AI開発および実装、デジタルトランスフォーメーションの実装など
URL:https://www.paloaltoinsight.com/
[ ベストパーツ社 会社概要 ]
会社名:ベストパーツ株式会社
代表者:代表取締役社長 室橋勝彦
所在地:宮城県仙台市宮城野区扇町7-1-33
設立:1982年4月26日
事業内容:温水暖房設備、給排気設備、冷凍空調設備、換気設備、給排水設備に付帯する部品・部材の企画と販売など
URL:https://www.best-parts.jp/
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
※石角友愛の著書一覧
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