今週の注目カンパニー
アメリカでは、企業が必死になって採用活動をしているにもかかわらず、まだ仕事を見つけられない労働者も多くいるのが現状です。この理由の一つに、応募者を分類するソフトウェアの存在が挙げられます。
先日ハーバード・ビジネス・スクールより発表された研究によると、これらのシステムは1,000万人以上の労働者を書類の時点で除外しているという結果も出ています。そのため、企業ではこれまでのシステムでは見つけるのに苦労していた求職者と出会う仕組みを構築する動きが進んでいます。
例えば、Microsoftでは、自閉症スペクトラムの候補者を見つけるために新しい方法を導入しました。自閉症スペクトラムの候補者は、細部にまで気を配ることができ、問題解決能力にも優れていることが多いのですが、同社に限らず多くのスクリーニングや面接プロセスにはストレスが多く、自閉症スペクトラムの候補者には不向きであることがわかったといいます。
また、書類の時点で除外されてしまっていた労働者を狙うことを重視した企業のひとつにIBMが挙げられます。IBMでは2020年に300万件もの応募を受けていますが、同社は数年前、サイバーセキュリティやソフトウェア開発のポジションを埋めるのに苦労したことがあると言います。
そこで、人材の評価方法を見直し、米国内の職務の半分について大卒資格の要件を撤廃し、職務の真のニーズをより的確に捉えるために職務記述書を書き換えたといいます。IBMの最高人事責任者によると、それ以来、IBMではマイノリティの応募者が63%増加したといいます。 |