クランチーロールのAI活用事例
crunchyroll(クランチーロール)をご存じの方はいらっしゃいますでしょうか?UCバークレーの卒業生が2006年に創業したスタートアップで、海外向けアニメ配信サービスを提供しており、現在全世界で1億2000万人程のユーザー数を誇ります。今年夏に、Sonyが10億ドルでAT&Tから買収したことでも話題になりました。
海外でアニメを見るのであれば、Netflixよりクランチーロールが使われることが多いです。Netflixでは人気アニメはシーズン1しか用意されていないことも多いのですが、クランチーロールだと全シーズン揃っており、アニメを見ながら他の視聴者のコメントを読むことができ、YouTube的な視聴方法ができるので楽しく視聴することが出来ます。
また、クランチーロールはアニメ配信の際に機械学習を使っていることでも知られています。同社のブログによると、クランチーロールが配信するアニメの中には、TV放映時代のものもあり高画質ではありません。現代の高画質4KのTV画面やパソコン画面で見る場合、古いアニメをリアルタイム処理して高画質にスケールアップしなければいけません。(画像処理で、スケールアップ問題として知られている領域です)そこでコンテンツがスケールアップされるときに失われてしまう画面の詳細を補正するために、ディープラーニングの一種である畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルを活用しています。コンテンツが元のソースよりも大きい解像度にスケーリングされるときに、詳細を予測して入力しているとのことです。
海外のアニメ配信というと、アメリカで創業されたFunimationというアニメ配信会社も有名なのですが、実はこちらも2017年にSonyが143万ドルで買収しています。このことから、Sonyは海外向けアニメ配信ビジネスに力を入れていることが伺えますね。 |