DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」

各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。今回の「Level 5 by Palo Alto Insight」の概要を文章で読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。

 

MBAをハーバードビジネススクールで取得した3名が語る現代の教育

DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」。

これまでの放送でお話ししてきた「今週のおすすめコンテンツ」について、視聴者の皆様から「意外！」という声を多数いただいております。

進撃の巨人やマトリックスなどから派生して、今回の放送では「ファミコン」の話題が上がりました。長谷川CTOは子供の頃、アメリカで日本のゲームをやるために、わざわざ日本のテレビを購入してプレイしていたそうです。多くの人を夢中にさせたファミコンはやはり偉大ですね。

マサチューセッツ工科大学など米有名私立大学を卒業生が提訴

第4回で取り上げる「今週のホットニュース」は「16のエリート大学が価格操作カルテルに加担しているとして提訴される」です。

ニュースの概要

このニュースは、イェール大学やマサチューセッツ工科大学（MIT）などアメリカの有名私立大学が、学費支援プログラムの詳細を決める際の手順に問題があったのではないかと、卒業生に提訴されたというものです。

具体的には、16校の有名私立大学およびカレッジスクールが価格操作カルテル（企業が同業他社と話し合い、共同で商品の価格を取り決める行為のこと）に加担し、入学者に支給する学資援助を減らすよう共謀していたとされています。これに対して、訴えられた大学に通っていた5人の元学部生が提訴しました。約20年間、推定17万人の学生に過剰な支払いを行ったとされています。

また、アメリカの高等教育は価格高騰による二極化が進んでおり、年間学費約700万円も珍しくない時代に突入しています。そのため、学部選択の段階でROI（投資利益率）を考えることが主流になっているそうです。

 

ジョージア工科大学の授業を担当する長谷川語る現代教育の実情

長谷川は現在、ジョージア工科大学コンピュータサイエンス修士のMOOC（大規模公開オンライン講座）の授業を担当しています。このプログラムでは、7000ドルという非常に安い学費で修士号が取得可能です。そのため、オンラインという形で大規模に授業を展開していくやり方と、より学費を上げてプレミア感を出すやり方の二極化が進んでいるのではないかと指摘しています。

また、授業は1セメスター500人程度で展開されており、教授は授業を撮影するのみで、基本的にはTA（ティーチングアシスタント）が成績評価や学生のバックアップを行っているようです。そのため、教授自身の労働コストも抑えられるという観点から、新しい授業形態の1つなのではないかと考えています。

そして石角は、アメリカにおいて大学は戦略的に選ぶ時代になっていると話します。新型コロナウイルスの影響により多様な選択肢が生まれている中、どの大学を出るかではなく、何を学ぶかによって、生涯年収に数億円の差が出るとされる調査結果もあるようです。

 

MBAを取得することの意義

「MBAに行った方が良いですか？」という質問を頂くことが多いと話す山崎。その際には「行きたいと思ったら、行った方がいい」と回答するそうです。また「経験として楽しいから行った方がいい」とも語っていました。

MBAで習う内容は、テキストなどで習得可能です。一方で、実際に授業に出てクラスメイトや教授とケーススタディを行い、そこから体験できることも沢山あるといいます。もちろん、クラスメイトとの繋がりやネットワークが広がっていくことも利点として挙げられるでしょう。

しかし、結婚している人が通うとなると生活費を含めて13万ドル以上のお金が必要です。そのため、学費の面で非常に大きな決断をしなければならず、なかなか踏み出せないことも理解できます。

その上で石角は、MBAを取得した後の平均年収に注目しました。MBA取得後の平均年収を見ると上昇傾向にあり、初任給は1万5000ドルから1万7000ドルとしている調査結果もあるようです。Amazonも年間1000人MBAを雇用すると発表しており、需要も高まっていると言えるでしょう。

それでは、日本でMBAを取得した場合はどうでしょうか。日本とアメリカにおけるMBA取得後の給与の差は、2009年のリーマンショック時と比べても広がっているのではないかと山崎は推測しています。日本で投資銀行やプロフェッショナルファームに就職する場合、先ほど話したような額の初任給をもらうことはなかなか難しいかもしれません。

かけがえのない経験が得られる

このように、MBAを取得するためには考えなければならない要素がいくつもあります。ただそれでも、行く価値があると出演者三名は話していました。

MBAは、予備校に通って数ヶ月で取得できるような資格ではありません。2年間で得られるかけがえのない体験の先に、その資格が得られるのです。今まで関係ないと思っていたものが繋がって見えるようになったり、そこで経験したことをベースにキャリアを変化させることができます。そのため、今興味を持っている人には、まずは挑戦してみてほしいと語っていました。

そして今回取り扱ったトピックは、答えがあるものではありません。ぜひ今回の放送を聞いてくださった方々の意見も頂けると幸いです。今後も、ハーバードビジネススクール卒業生という立場から、さまざまな議論をしていきたいと思っています。

 

オンライン教育サブスクリプション「Master Class」長谷川のおすすめコンテンツ

「今週のおすすめコンテンツ」は、長谷川の紹介する「Master Class」です。これは、アメリカのオンライン教育サブスクリプションプラットフォームで、豪華すぎる講師陣と綺麗な映像で非常に見ごたえがあるとアメリカで話題になっています。

提供されているコンテンツの分野も幅広く、スポーツからリーダーシップ論・料理等ありとあらゆる分野のビデオが用意されています。自分に関係のある分野を観て学びを深めたり、今まで関わりのなかった分野について触れてみることも可能です。

第42代アメリカ合衆国大統領のビル・クリントンや、人権運動家として2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんなど、錚々たるメンバーが動画を提供しています。ぜひ一度、お試しください！

それでは、次回の放送もお楽しみに。

エピソード#4の実際の音源はこちらからお楽しみください。