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元プロサッカー選手とスポーツビジネスの未来について徹底議論
2022/08/15 ブログ 
by kawakamitakuro 

DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」

各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。ポッドキャスト内容の概要を読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。

元プロサッカー選手とスポーツビジネスの未来について徹底議論

今回の放送では、元プロサッカー選手で現在はインテグラルに勤める小林寛生さんにお越しいただきました。Level 5 初のゲストとして、海外大でのスポーツ事情や進学の裏側・スポーツ選手のキャリアやスポーツビジネスについて色々とお伺いし、大変内容の濃い放送となりました。

 

元プロサッカー選手が描くスポーツビジネスの未来とは

初めに、小林さんがどのようなキャリアを歩んできたのかについて、お話しします。

 

サッカーを始めてから大学進学に至るまで

小林さんは元々、愛知県の名古屋市に住んでいました。7歳の頃から地元のサッカークラブでサッカーを始めましたが、14歳の頃には家族でニューヨークに移住することになります。アメリカでは高校が4年間となっているため、中学3年生の状態からいきなり高校生になったそうです。

アメリカに移り住んでからは、地元の公立高校に編入し、すぐにその高校のバーシティチームに入ることになります。バーシティチームとはその学校の代表チームのことを指し、通常14歳でバーシティに所属することは極めて稀なケースでした。出演者の長谷川や石角も、当時9年生(日本でいう中学3年生)でバーシティチームに所属するのは、間違いなく本物だと語っています。いきなり移り住んだこともあり、英語もまだ十分に話せる状態ではなかったようですが、バーシティチームに所属するだけで多くの生徒から話しかけられたそうです。

また、アメリカの高校ではスポーツのシーズンが短いため、オフシーズンの期間は別のクラブチームに所属して練習を行っていました。そのクラブチームの大会で、後に進学することとなるハーバード大学の監督からスカウトを受けたそうです。ただし、ハーバード大学はアカデミックファーストであるため、きちんと卒業できる学力がなければなりません。そのため、サッカーと同じくらいの熱量で、勉強にもしっかりと取り組んでいたと話します。まさに、文武両道の学生生活だったようです。

 

ラーメン屋でのアルバイトがプロの道を後押しした

このように、ハーバード大学進学に至るまで様々な経験をしてきた小林さん。実は、プロのサッカー選手を目指したきっかけも、非常にユニークなものでした。

当時、ハーバード大学には「夢を語れ」という二郎系のラーメン屋さんがありました。そのラーメン屋さんには、非常にユニークなルールが存在したのです。それは、「ラーメンを食べ終わった後に、自身の夢を語って店を出なければいけない」というものでした。

このお店でアルバイトとして働こうとした小林さんですが、当時アルバイトとして働く際にも、店主の方に夢を語る必要があったそうです。その時に「ハーバード卒のJリーガーになる」という夢を志しました。まさに、ラーメン屋さんでのアルバイトが、プロとしてのキャリアを歩むきっかけとなったのです。

そこから、MLSのチームにトライアウトを通して入団することが決まり、アメリカでのプロ生活がスタートしました。

 

プロサッカー選手としてのキャリアは夢を叶える上での手段でしかない

しかし、プロとしてのキャリアは決して順風満帆なものではありませんでした。プロの中ではそこまで上位のチームではなかったこともあり、MLSでのお給料は1ヶ月に800ドルと非常に少なかったようです。

そこから1年後、ラーメン屋さんで語った夢を実現するために、日本に帰国してJリーガーになることを目指してトライアウトを受け続けました。その中で、とあるチームに会社員兼練習生という形で入団しますが、Jリーグのレベルは非常に高く、なかなかプロとして活躍することは難しかったようです。

そうして、練習と仕事の両立を続けてきた小林さんですが、2017年に選手としてのキャリアを終わりにし、インテグラルに入社します。その理由は、自身の夢に対する考え方にありました。

これまでも、ハーバード卒のJリーガーになることを夢の1つとして語ってきましたが、それはあくまでも短期的な目標に過ぎませんでした。より長期的な目標は、日本のスポーツ界のために大きな貢献をすることだったのです。そのために必要な手段として、Jリーガーを目指していたということに気づいたのです。

「夢を諦めなければ、手段を諦めても良い」。サッカー選手としてのキャリアの先に、日本のスポーツ産業に貢献するという目標があったからこそ、この決断ができたのです。

 

プライベートエクイティとして描くキャリア

 

企業を総合的にみる

現在、小林さんはインテグラルに勤務し、プライベートエクイティのお仕事をしています。このお仕事を選んだ理由は2つあり、1つはインターンシップでお世話になったこと、もう1つは会社を総合的にみる力を身につけられる、ということを挙げていました。

中でも「会社を総合的にみる」という経験は、将来やりたいことに対してもつながる部分が多いと話します。それぞれの会社の強みから、うまくいっていない部分を洗い出し、そこから人間力を持ってより良い会社にしていくということは、普遍的なノウハウとして必ず活かせるでしょう。そして、企業支援や企業再建を行っていく過程で、日本経済が活性化し、その中でスポーツ産業に貢献できる可能性も多いにあります。

また長谷川は、投資家という仕事は「俯瞰的にビジネスをみる」という経験が得られると話します。ビジネスの全体をしっかりとみる経験は、代表取締役くらいの立場でなければなかなかできません。そういった意味でも、インテグラルに入社したことは間違いなく夢へ繋がっていくことでしょう。

 

日本のスポーツビジネス発展のためにできること

実は、この対談を行う前にリスナーさんからこのような意見を頂きました。

日本と海外において、スポーツ選手の社会的立場やスポーツビジネスの発展に大きな違いを感じています。今後の日本のスポーツビジネスの可能性や、その発展のために私自身ができること、海外事情やビジネスに精通しておられる皆様の立場からの御意見をお伺いしたいです。

この質問に対して、小林さんはスポーツ産業の発展の方向性について指摘しています。一概にスポーツ産業を発展させていくといっても、経済的に大きくさせていくのか、人の人生を豊かにするという社会活動的な側面から発展させていくのかで、やれることは変わってくるでしょう。

ただ、海外と比べてみて特に違うなと感じる部分はあると話します。それは、「ポジティブなサイクルになっているか」です。アメリカでは、観客が高いお金を払って、スタジアムに試合を見にくる機会が多々あります。また、高い放映権を払って試合を観戦したいと思う人も多くいるため、クラブやリーグ全体にお金がしっかりと落ちていくのです。そのお金を使って、よりレベルの高い選手を獲得したり、しっかりと給与を払うことができるため、スポーツ界全体のレベルが引き上がっていく。このポジティブなサイクルに日本がなっていくことは、非常に重要であると語っていました。

 

今週のおすすめコンテンツ「マネーボール」

「今週のおすすめコンテンツ」は、長谷川の紹介する「マネーボール」です。

この本(映画)は、データ活用でメジャーリーグの常識を覆したノンフィクションの物語です。野球の才能を持った主人公が、スタンフォード大学の入学を辞退してプロの道に進み、そこで一度は夢を諦めたものの、そこからコーチとして第2の人生を歩んでいくという内容になっています。

ゲストの小林さんのお話を聞いて、ぜひ紹介したいと思ったそうです。データ×スポーツといえばこの映画というくらい人気の一作ですので、興味がある方はぜひ一度読んでみてください!

 

それでは、次回の放送もお楽しみに!

#24の実際の音源はこちらからお楽しみください。

 

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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