今回は、「音楽の趣味で性格がわかる?」という論文をもとにした記事を紹介したいと思います。皆さんも、「クラシックの音楽を好んで聴く人は頭脳明晰な人が多い」など、音楽の好みによる固定観念を聞いたことはないでしょうか?そんな音楽の好みが、今の気分やファッションの好み以上に、我々の性格について具体的なことを示唆しているとした研究結果が発表されました。
ケンブリッジ大学と、イスラエルのバーアイラン大学の研究者たちは、オンラインクイズを使って、53カ国28万5000人以上の研究対象者の音楽の好みと性格に関する情報を抽出しました。
研究チームは、音楽と性格の両方を分類するために、音楽のフレームワークを、音楽を「mellow(柔らかい)」「unpretentious(慎ましい)」「sophisticated(洗練された)」「intense(激しい)」「contemporary(現代的)」の5つの次元で分類し、性格については、開放性、良心性、外向性、神経質性、協調性という5つの側面から分類する「ビッグ5」と呼ばれるフレームワークを利用しました。
その結果、研究チームは、外向的な人は、アップビートでダンサブルなコンテンポラリーミュージックを好む傾向があり、良心的な人は激しい音楽を避ける傾向がある。など、好きな音楽のジャンルと、性格的な要素の間に強い相関関係があることを発見しました。
この研究結果は、音楽の好みと性格に関しては、これまで感じてきた直感が正しかったことを示唆しています。もちろん、音楽だけで初対面の人の全ての性格を理解することは難しく、性格を決め付けることは好ましくありませんが、このような心理的な傾向があると理解した上で、相手に好きな音楽を聞くことで、相手のことをより深く理解するきっかけにもなるのではないでしょうか。
論文:Universals and variations in musical preferences: A study of preferential reactions to Western music in 53 countries.
参考記事:https://www.inc.com/jessica-stillman/hiring-music-taste-study.html |