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OpenAIのCEO、サム・アルトマンはどんな人物か
2022/11/15 ブログ, 人気記事, The Insight 
by kohei 

OpenAIのCEO、サム・アルトマンはどんな人物か

投資家としての経験から予測するAIの可能性とは

※2023年11月23日追記・編集

今週のテーマ:技術開発

パロアルトインサイトの嶋崎です。シリコンバレーのビジネス界で有名な人物である、サム・アルトマン(Sam Altman)をご存知でしょうか。かつて投資会社「Yコンビネーター」の代表を務め、直近までOpenAIのCEOを務める人物です。
今回は、2023年11月のOpenAIのCEOを電撃解任させられたニュースで、世界中のテックニュースの中心になっているサム・アルトマンの日本ではあまり知られていない経歴と、AIの未来に関する考え方を紹介していきます。(2023年11月23日、サムアルトマンのOpenAI復帰が発表されました。)

シリコンバレーから現役データサイエンティストのインサイトをお届けする「The Insight」。今回取り上げるのは、OpenAIのCEOであるサム・アルトマンです。

💡 この記事から得られる3つのナレッジ
・サム・アルトマンの経歴
・アルトマンが率いた「Yコンビネーター」と「OpenAI」の概要
・アルトマンが考えるAIの可能性と懸念

📖 このテーマを選んだポイント
アメリカのビジネス界で著名でありながら日本ではあまり知られておらず、AIの未来に関する見識が深い人物であるため。

📖 この記事に登場する技術キーワード

目次

サム・アルトマンの経歴

投資会社「Yコンビネーター」

AI研究機関「OpenAI」

アルトマンが考えるAIの可能性と懸念

AIビジネスデザイナーのワンポイントアドバイス


 

サム・アルトマンの経歴

アルトマンは1985年生まれで、ミズーリ州セントルイス市で育ちました。スタンフォード大学に進学したものの、在学中に起業して中退。主な経歴は以下の通りです。

現在アルトマンはMicrosoftのAIチームのCEOを務めると報道されています。

 

(画像引用:https://www.youtube.com/watch?v=WHoWGNQRXb0

 

投資会社「Yコンビネーター」

アルトマンは「Yコンビネーター」の代表に就任したことで、世間から大きな注目を集めるようになりました。Yコンビネーターについて紹介します。

実績のあるシードアクセラレーター

Yコンビネーターは2005年に設立されました。投資会社の中でも「シードアクセラレーター」と呼ばれる立ち位置です。

シードアクセラレーターは、創業したばかりの段階の起業家やスタートアップ企業に資金を提供し、人脈の紹介や経営のアドバイスを行います。その代わりにシードアクセラレーターは会社の株式の一部の提供を受け、投資先の企業の価値が上がれば大きな利益を得るのです。

Yコンビネーターは、数々の企業への投資を成功させてきました。これまでの投資先企業の例は以下の通りです。

このように、世界的に大成功する企業が次々に生まれています。圧倒的な実績があるため、多くのスタートアップ企業が集まるシリコンバレーの中でも、Yコンビネーターは有名な投資会社です。

アルトマンは28歳のとき代表に就任

2014年、アルトマンは28歳という若さで、Yコンビネーターの設立者のひとりであるポール・グレアムから、代表の座を受け継ぎました。これにより、アルトマンはビジネス界で「投資家」として注目される存在となりました。そして、投資を期待する大勢の起業家と面会する日々が始まったのです。

2019年にYコンビネーターを退職するまでに、アルトマンは積極的に投資先を広げました。とくにITに偏っていた投資先を、バイオテクノロジーや代替エネルギーなど、さまざまな分野の企業に分散することに注力しました。そうした投資活動の中で、AIに大きな価値を感じるようになり、OpenAIに専念するという決断に至ったようです

 

AI研究機関「OpenAI」

現在アルトマンがCEOを務めるOpenAIについて紹介します。OpenAIについては「The Insight」でも、たびたび取り上げてきました。過去記事「AIリーディングカンパニー3社から発表された論文」も、ぜひあわせてお読みください。

OpenAIの目標

OpenAIは2015年、アルトマンやイーロン・マスクをはじめとする著名な実業家・投資家によって設立されました。OpenAIは特許や研究成果を一般に公開することで、人類の発展に貢献することを目標に掲げています。また、長期的にはAGI(汎用人工知能)を開発することを目指しています。

設立当初、OpenAIは非営利の研究機関であり、利益を追求する企業ではない点が大きな特徴でした。しかし、2019年には営利企業に移行し、Microsoftと提携しました。同年、アルトマンはYコンビネーターを退職し、OpenAIの経営に専念することを決めています。

AGIについては、DeepMind 社のポジションペーパーを取り上げた過去記事「AIを人間に近づけるAGI:なぜ強化学習の最先端をいくディープマインド社がAGI論文を発表したのか?」で詳しく解説しました。

GPT-3

OpenAIによる代表的な成果のひとつが、2020年7月に公開された「GPT-3」です。GPT-3は人が使う言語を処理できるAIで、人との対話や翻訳など、多様なタスクを行えます。

GPT-3のAPIは公開されており、申請すれば企業や研究機関が自由に活用できます。そのため、高性能なAIであるGPT-3は、さまざまなシステムに組み込まれて使われるようになりました。GPT-3の公開は、社会に大きなインパクトを与えたといえます。

GPT-3については、過去記事「自然言語処理モデルGPT-3を越えた「InstructGPT」」で詳しく解説しました。

DALL·E 2

2022年4月にOpenAIが発表した「DALL·E 2」も、大きな話題を集めました。DALL·E 2は、人が文章で簡単な指示を与えると、その指示通りの画像を自由自在に作り出すAIです。

たとえば、以下の指示文を入力すると、下図右側のようなリアルな画像が複数生み出されます。

 

(画像引用:https://openai.com/dall-e-2/

DALL·E 2は2022年10月には一般公開されました。今後は世界中の人々がDALL·E 2を使って作品を生み出し、私たちがその画像を目にする機会が増えていくでしょう。

DALL·E 2については、過去記事「AIアートの最新技術「DALL·E 2」の創造力の凄さ」で詳しく解説しました。

GPT-4V

GPT-4V(ision)は、OpenAIによって開発された最新のマルチモーダルなAIシステムです。このシステムは、従来のGPT-3やGPT-2などの言語モデルを基にしており、人間のようなテキスト生成能力を持ちます。GPT-4Vの特筆すべき点は、画像情報を入力として分析する機能を持つことです。この能力は、従来の言語モデルが画像や動画の理解に限界を持っていた点を克服しています。

GPT-4Vの学習には「Reinforcement Learning from Human Feedback(RLHF)」という手法が採用されています。これにより、人間のトレーナーからのフィードバックを基にシステムのパフォーマンスを向上させることができます。これにより、画像入力に対するテキスト生成がより正確かつ適切になり、マルチモーダルAIシステムとしての性能が向上しています。

GPT-4Vについては、過去記事「OpenAIがGPT-4Visionを発表 マルチモーダルAIの進化と責任ある利用に向けた取り組み」で詳しく解説しました。

アルトマンが考えるAIの可能性と懸念

アルトマンはAIの未来に可能性を感じていると同時に、懸念事項に対して対策を行っています。アルトマンの考えをインタビューをもとにご紹介します。

AIは大きなビジネスチャンスをもらたす

アルトマンは「AIを基礎として、あらゆる産業で多くの進歩がもたらされる」と考えています。該当箇所を引用すると以下の通りです。

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パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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