手軽にAIのサポートを受け、仕事の生産性を高める方法
パロアルトインサイトの長谷川です。私たちはインターネットを通じて、いつでも情報を大量に集められます。それ自体は良いことですが、情報があふれすぎて管理に困っている方も多いのではないでしょうか。
情報管理に役立ち、仕事の生産性を高めてくれるのが「メモ管理ツール」です。最近では、AIによる文書作成のサポートを手軽に受けられるツールも登場しており、注目を集めています。
シリコンバレーから現役データサイエンティストのインサイトをお届けする「The Insight」。今回取り上げるのは、AIを活用したメモ管理ツールです。
💡 この記事から得られる3つのナレッジ
・OpenAIが出資する「Mem」
・2,000万人以上のユーザーを抱える「Notion」
・セレンディピティを重視する「Roam Research」
📖 このテーマを選んだポイント
AI活用の身近な事例であり、ふだんの仕事や学習にツールを役立てられるため。
📖 この記事に登場する技術キーワード
メモ管理ツールでは、テキストを中心とした多様な情報を管理できます。メモを書いて保存しておけるのはもちろん、Web記事へのリンクを貼ったり、他の人と共同で作業したりと、さまざまな使い方が可能です。メモ管理ツールはシンプルなものから多機能なものまで数多くあり、自分に合ったものを選んで使えます。
ビジネスパーソンの方は日常業務の中で常にメモを取ったり、アイデアをまとめておいたり、または提出する資料を作成したりと、様々なファイルや異なる重要度の文章を扱っていることでしょう。しかしながら、それぞれ作成した文章がローカルに保存していたり、クラウドのファイルの中にアイデアメモが混在していたりと保管場所が異なるがために、必要な時に見つけられない、または重要なメモの存在を忘れてしまった、ということもあるのではないでしょうか。せっかくの情報やアイデアをいざという時に活用できないのはとても勿体無いことです。
そんな中、取り扱う資料やメモをすべてをひとつのツールにまとめることで、必要な情報を探し出すのが楽になるだけでなく、生産性の向上にも繋がってくるのです。メモ管理ツールを個人だけでなく、チームで使用することでシナジーを生み出したり、情報共有/管理がしやすくなることで、生産性がさらに向上することでしょう。
メモ管理ツールを提供する各社は独自の工夫を凝らし、ユーザー数を増やすため激しく競争しています。近年、開発の目玉とされることが多いのが、AIを活用した機能です。
AIの活用などによって注目を集めている、以下の3つのメモ管理ツールを紹介していきます。
どのツールも無料で試せるので、気になったものがあればぜひ使ってみてください。なお、いずれのツールの運営会社も、アメリカのサンフランシスコに拠点を置いています。
2019年に創業した「Mem Labs」が提供する「Mem」を紹介します。
MemはAIの活用を前面に押し出しているメモ管理ツールです。時系列のタイムラインを中心とした情報の整理方法にも特徴があります。
Memは2022年11月、**OpenAIが設立した投資ファンド「OpenAI Startup Fund」から2,350万ドルの投資を受けた**ことで、注目を集めました。OpenAIから技術的な支援を受けつつ、さらにAI活用に注力していく姿勢を鮮明にしています。
OpenAIについては、過去記事「AIリーディングカンパニー3社から発表された論文」や「OpenAIのCEO、サム・アルトマンはどんな人物か」で詳しく紹介しました。ぜひあわせてお読みください。
Memには「Mem X」と呼ばれるAIが内蔵されており、文章の作成をAIがサポートしています。近日中に公開されるMem Xの最新版では「Smart Write & Edit」という機能が追加される予定です。この機能を使うと、AIは以下のようなサポートをしてくれます。
下図は公式サイトで紹介されている、文章を要約する指示の例です。
(画像引用:https://get.mem.ai)
箇条書きされた項目を選択して、「turn into a three paragraph blog post(3段落のブログ投稿に変換する)」という指示文を打ち込んでいます。こうした指示を与えると、「Shorten selected text(選択された文章を短縮する)」というアクションが提案されます。あとは選択するだけで、即座に指示通りの文章が生成されるのです。
執筆している間に、似たことを書いた記憶や、繋げたいかすかな記憶がふと蘇り、そのかすかな記憶を頼りに幾度と探せど記憶の中にあるメモが発見できずに時間だけが経ってしまったということはないでしょうか。
AIが検索性を高めているMem では関連性の高いファイルを自動で表示してくれます。自分が書いたファイルだけでなく、チームメイトが記載したものも提示してくれるので、執筆を重複することなく、活用しながら執筆することも可能になるのです。
2013年に創業した「Notion Labs」が提供する「Notion」を紹介します。
Notionはすでに世界で2,000万人以上のユーザーを獲得しているツールです。2021年には、Notion Labsの評価額は100億ドルに達しました。
Notionには多種多様な「テンプレート」が用意されており、幅広い用途に使えるだけでなく、自分でカスタマイズして使用していくことが可能です。
データベースと呼ばれるドキュメントのリストを様々な見せ方で進捗管理していくも可能です。「カンバン方式」と呼ばれるタスク管理だけでなく、タイムラインとして時系列を見えるように表示したり、タスク一覧を表示することも可能です。
(画像引用:https://www.notion.so/templates/product-launch-guide)
また、タスク管理だけでなく、デザインを視覚的にまとめることも可能です。
(画像引用:https://www.notion.so/templates/mood-board)
2022年11月、NotionはAIを活用した「Notion AI」と呼ばれる機能の提供を開始しました。Notion AIはさまざまな形で、人が文章を書くことをサポートしてくれます。公式サイトから例を紹介すると、以下の通りです。
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
※石角友愛の著書一覧
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