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画像認識の分野で欠かせない「CNN(畳み込みニューラルネットワーク)」とは
2022/12/09 ブログ 
by suzuki 

画像認識の分野で欠かせない「CNN(畳み込みニューラルネットワーク)」とは

ビッグデータ解析する上で有効なツールとして登場したディープラーニングは、複雑なアルゴリズムと人工ニューラルネットワークを用いて機械やコンピュータを訓練し、人間の脳のように経験から学習し、データや画像を分類・認識できるようにするものである。そのディープラーニングの中でも、今回紹介するCNN(Convolutional Neural Network)は、人工ニューラルネットワークの一種で、画像や物体の認識・分類などに広く利用されており、画像処理問題、ローカライズやセグメンテーションなどのコンピュータビジョンのタスクから、ビデオ解析、自動運転車の障害物認識、自然言語処理における音声認識など、多様なタスク/機能で大きな役割を果たしています。
CNNは、このような急成長するさまざまな分野で重要な役割を果たしているため、ディープラーニングの分野では非常に人気が高い技術となっています。

CNN(畳み込みニューラルネットワーク)とはなにか

畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、画像・映像認識や自然言語処理に用いられる人工ニューラルネットワークの一種です。CNNは、神経細胞が層状に接続され、3次元的に配置された構造をしている。CNNは、人間や動物の視覚野に着想を得ており、物体認識、画像キャプション、画像分割など、さまざまな用途に利用されています。

CNNの考え方自体は、1980年代から存在していましたが、近年の計算能力の向上と、学習用の大規模データセットが利用可能になったことからその開発が大きく加速しています。2012年には、トロント大学の研究チームが、画像中の物体を前例のない高い精度で認識できるCNNを開発して話題となりました。このブレークスルーにより、ディープラーニング革命が起こり、それ以来、CNNは画像認識タスクのデファクトスタンダードして認められるようになりました。

画像やテキストの処理方法に革命を起こしたCNNは応用範囲が非常に広く、現代のコンピュータビジョンや自然言語処理タスクの定番となっており、年々進歩し続けています。

CNNはどのように機能しているか

CNNは、畳み込み層、プーリング層、完全連結層から構成されている。畳み込み層は入力データから特徴を抽出する役割を担い、プーリング層はデータの次元の削減、完全連結層が最終的な出力を生成します。

画像を取り込み、この一連の層に通すことで機能します。畳み込んだ層はそれぞれ、一連のフィルターで構成されており、線、形、色など、画像内のさまざまな特徴やパターンを識別するために使用されます。画像が各層を通過するにつれて、フィルターはより複雑になり、高度な特徴やパターンを認識できるようになります。

画像が完全に処理されると、CNNの出力層はデータを解釈し、画像の予測や分類を行います。これを、物体検出や顔認識、画像のキャプション付けなどのタスクに応用することができます。

CNNの概要図 引用:https://medium.com/techiepedia/binary-image-classifier-cnn-using-tensorflow-a3f5d6746697

CNNを使用するメリット、デメリット

メリット

  1. 画像から直接特徴を抽出することができるため、特徴工学の必要性が低い。
  2. 完全連結型ネットワークよりも少ないパラメータで効率的な計算が可能である。
  3. 局所的で疎なニューロン間の結合に依存するため、オーバーフィッティングの可能性が低い。
  4. 画像中の対象物の位置に関係なくパターンを認識できるため、環境の変化に強い。
  5. 並進不変性、スケール不変性があり、物体の位置や大きさに関係なく認識できる。

デメリット

  1. 学習と利用には、大量のデータと計算能力が必要
  2. モデルが非線形性が強いため、結果の解釈が困難
  3. 大量の学習データがない場合、モデルが特徴を適切に学習できず、オーバーフィッティングが発生する可能性がある。

まとめ

CNNは、コンピュータビジョンやパターン認識タスクに用いられる強力なニューラルネットワークの一種で、画像の分類、物体検出、セグメンテーションなどのタスクに非常に有効であることがわかったかと思います。
画像分類や物体検出などのタスクにおいて従来の手法を上回る性能を発揮することが示されており、最新のコンピュータビジョンアプリケーションで人気の選択肢となっています。年々技術が進歩しているため、今後どのような形でCNNが価値を発揮していくのか、注目ですね。

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石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
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