この本は、私もプロピッカーを務めるNewsPicksから出版されたビジネス書で、2020年のHRアワードの書籍部門で最優秀賞を受賞した働き方に関するベストセラー本です。著者の宇田川先生は埼玉大学経済経営系大学院の准教授として、組織における対話やナラティヴ、戦略開発との関係についての研究を行っています。
本書は、ビジネスの現場で生じる人間関係の課題や問題をどう乗り越えていくかというテーマで、実践に裏づけられた再現性の高いメソッドを提示しています。
この書籍では、一冊を通して「ナラティヴ」という言葉がキーワードとして出てきます。ここでのナラティブとは「語り手の解釈の枠組み」のことを指しており、相手の発言の立場や背景、ビジネスをするうえでは専門性や倫理、組織文化などのことを言います。
組織における「わかりあえなさ」や「やっかいな問題」は、当事者同士のナラティヴの間に溝ができており、そのことに気づいていない状態である可能性が高いといいます。
そのような対立が起こった際の対処法として、まず自分のナラティヴをわきに置き、相手の立場で客観的に考えてみるということを重要としています。 そして、自分のナラティヴと相手のナラティヴが違うということを理解した上で、共通の目的に立ち戻り、お互いがwin-winになる解決策を探す必要があるといいます。この考えは、ビジネスにおける不要な対立を避け、良い組織を構築するために、ぜひ身につけておくべきアプローチですね。
参照:https://www.amazon.co.jp/dp/4910063013 |