ChatGPT をきっかけにジェネレーティブAIという言葉をよく耳にするようになったのではないでしょうか。GPTはGenerative Pre-training Transformer の頭文字を取ったもので、まさにジェネレーティブAIを代表するモデルです。今回の記事ではジェネレーティブAIの種類や活用されている技術についてご紹介したいと思います。
ジェネレーティブAI(Generative AI)とは、日本語では「生成AI」と呼ばれることもあるように、AIへ指示した内容に基づいて文章や画像、動画、プログラミングのコードなどを自動で生成してくれるAIのことを指します。
非常に多くの種類のデザインを生成できるため、デザインやアートの作成プロセスを大幅に加速することが可能です。たとえば、イラストを高速に作成できたり、複雑な3Dモデリングを行うことだけでなく、マーケティングのコピーや詩など文章をも作成することが可能になります。それにより、今までは最初から最後まで人が時間をかけて行わなければならなかった作業を、ジェネレーティブAIによって素早く簡単に自動的に行うことが可能になるため、注目が高まっています。
AIへの指示は「プロンプト(prompt)」と呼ばれ、生成されるデータの完成度に大きく影響があるため、上手にプロンプトを記載するスキルや、自分が思い描いているデータを具体的に指示するスキルがとても重要です。ジェネレーティブAIをより効果的に活用するため、おすすめのプロンプトを紹介しているSNSやブログなども見受けられます。
ジェネレーティブAIが生成できるカテゴリーは多岐に及びます。
テキストの生成
テキスト生成AIは、自然言語処理技術を使用して、人工的に文章を生成することができるAIです。ブログ記事や、商品説明、ソーシャルメディアへの投稿などの文章を生成して使用することが可能で。これらのシステムは、大量のテキストデータから学習して、その文法や語彙の特徴を理解し、それを元に新しい文章を生成します。
あるテーマに関する記事やブログ投稿を自動的に生成することや、自動応答システムやチャットボットにて質問に応答するために文章が生成されます。
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画像生成
画像生成AIは、機械学習や深層学習などの技術を使用して、新しい画像を生成することが可能です。事前に大量の画像データを学習し、そのデータをもとにプロンプトに記載したイメージの新しい画像を生成することが可能ですし、学習するデータに著名なアーティストなどを用いることで、画風を真似て作成することも可能です。
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動画生成
動画生成AIでは、動画を新たに生成することも可能ですし、指定した画像を動画化することも可能です。
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音声生成
ジェネレーティブAIを用いて音声を合成することも可能ですし、指示した雰囲気の音楽をも生成することができるAIも開発されています。
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プログラミングコード生成
GitHub Copilot を使用することで、プログラマーが書いているコードから書かれてるコードを理解、推測しプログラミングコードを自動で生成し提案してくれます。それにより、コーディング効率を高めることが可能になりました。
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検索エンジン
テキストを生成するように、検索プロンプトを生成して簡単にリサーチすることが可能です。
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ジェネレーティブAIを代表するテキスト生成AI「ChatGPT」も画像生成AI「Dall•e2」もOpenAIによって開発され、どちらも発表から大きなトレンドを生んで注目を浴びています。
OpenAIは2015年、アルトマンやイーロン・マスクをはじめとする著名な実業家・投資家によって設立されました。OpenAIは特許や研究成果を一般に公開することで、人類の発展に貢献することを目標に掲げています。また、長期的にはAGI(汎用人工知能)を開発することを目指しています。
設立当初、OpenAIは非営利の研究機関であり、利益を追求する企業ではない点が大きな特徴でした。しかし、2019年には営利企業に移行し、Microsoftと提携しました。
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AIがテキストから画像を生成するとき、実際にテキストを理解して画像を生成するわけではありません。画像生成AIには、さまざまなモデルがありますが、「トランスフォーマー」という技術が使用されています。トランスフォーマーは、入力データから自己学習する深層学習モデルで、NLPから画像認識まで多くの用途で使用されています。また、トランスフォーマーは、テキスト文書の要約や分類、既存のデータから新しいテキストを生成することができます。画像生成AIでは、テキストをトークンやパラメーターに変換するために、トランスフォーマーが使用されています。
トランスフォーマーの大きな利点は、大量のデータから素早く学習できることです。また、拡張性が高いため、さまざまなタスクに容易に適応することができます。従来不可能だった新しい洞察や予測を生み出すために使用することができます。
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すでに様々なジェネレーティブAIによって生産性が向上しておりますが、これからはより一層ジェネレーティブAIを活用するスキルが必要になることでしょう。特に、様々な種類のAIを掛け合わせて使用することで、1人でできることが格段に増え、作業スピードもはるかに高まるでしょう。特に、画像や動画を扱う業界では、数名がかりで数週間の作業が1人で1週間もかからずとも完成してしまうという未来はすぐそこまで迫っています。
ジェネレーティブAIを使いこなすことで生産性は高まりますが、一方で、ジェネレーティブAIによって制作されたコンテンツが世の中に溢れてくるでしょう。そのときは、利用者としてコンテンツを鵜呑みにせず正しいかどうか見極めるスキルも重要になってきます。見極めるためにも、ジェネレーティブAIの理解を深めること、そして見極めるためのツールの活用も重要です。OpenAIはAIが生成した文章かどうか判断するAIを公表しております。詳しくは「OpenAIが発表したAI分類器「GPT-3 Detector」の精度と課題」を併せてご覧ください。
ジェネレーティブAIの理解を深めるには、まずは使っていくことが鍵となります。
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AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
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2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
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