今週のテーマ:技術開発
Meta AIは、独自のAIシステム「CICERO」を発表しました。これは複雑な交渉ゲームとして人気の高い「Diplomacy」上で、最適な意思決定を行うことのできるシステムです。これまでもAIがボードゲームをマスターし、人間に勝利した例はいくつも知られています。囲碁では「AlphaGo」がトッププロに勝利したり、日本の将棋界でも藤井聡太プロがAIを活用して研鑽を積み多くのタイトルを獲得していることから、今では多くのプロがトレーニングに使用しているという話はご存知のことかと思います。
今回のCICEROは、囲碁や将棋のような対人型ボードゲームでなく、より複雑な要素を用いるゲームであるDiplomacyで人間の上位プレイヤーと同等の成績を残したとして注目されています。プレイ状況や、プレイヤーとの対話の履歴、言語や文型の知識など、さまざまな情報を活用して稼働するこのシステムは、AIとしての応用性が明確になっている段階ではありませんが、プロ・アマが混在する中で上位10%以内に入るなどの好成績を上げています。
AIでは操作が困難とされていたDiplomacyとは
CICEROがプレイするDiplomacyは、7人のプレイヤーが地図上で駒を動かしてヨーロッパの支配権を競い合うというゲームです。参加する複数のプレイヤーが同時に行動するだけでなく、各ターンの前に短い交渉時間が設けられ、プレイヤーが2人で話し合い、同盟を組んだり、ライバルを追い詰め …続きを読む |