Appleの最新デバイス、Vision Proが市場に投入され、その革新的な「空間コンピューティング(Spatial computing)」機能で注目を集めています。3,500ドル(約52万円)という価格で、この高級デバイスがどのようなユーザー層を引きつけることができるのか、そしてその使用価値は実際のところどうなのか紹介していきます。
このデバイスは、従来のVRヘッドセットをはるかに超えるアイトラッキング、ジェスチャーベースのコントロール、高品質なディスプレイ、そして「パススルー」と呼ばれる実世界とバーチャル体験を組み合わせる機能を備えています。しかし、3,500ドルという高額な値段に見合う活用ができるかどうか、そして長期間にわたってその魅力を保つことができるかどうかなど、現時点ではまだ明確にはなっていない部分も多いのが現状です。
記事に記されている通り、約40%のアメリカ人がまだVRヘッドセットを体験したことがないという事実を踏まえると、Vision Proの高品質なディスプレイや直感的な操作方法がこうした新規のユーザーに衝撃を与える可能性があります。また、Vision Proの「空間フォト&ビデオ」技術は、家族の記憶をよりリアルに残すことができるため、親世代にとって魅力的な選択肢となるかもしれません。Vision Proで撮影できる3D画像は、単なるスナップショットを超え、実際にその場にいるかのような感覚を提供してくれるということです。
一方で、オフィスでの作業に関しては、Vision Proの使用経験はそれほど印象的ではないという反応です。キーボードやマウスを物理的に接続しなければならない点や、VR環境でのタイピングの不便さなど、ポータビリティを損なう要因が指摘されています。
Vision Proが技術的な進歩と革新を代表するデバイスであることは多くのレビューから伺えます。しかし、オフィスワーカーやゲーマーといったユーザー層にとっては、まだその効用は限定的であり、現時点での多額の投資を正当化するには至っていません。
Vision Proを通じて、Appleはコンピューティングの新時代を開拓しようとしていますが、その普及にはさらなる時間がかかることが予想されます。
しかし、購入者の熱狂度合いは、目を見張るものがあり、ますます盛り上がっていくことが予想されます。新しい空間コンピューティングデバイスがビジネスや日常生活にどのような影響をもたらすのか、今後の展開に注目が集まります。
この最新のデバイスを発売日の翌日に弊社の長谷川CTOが購入したということで、今週のLevel5でも使用感のレポートを収録して紹介しています。ぜひ木曜日の放送もお楽しみに。
参考:https://www.nytimes.com/2024/01/31/technology/roose-apple-vision-pro.html |