多様な文化が混在するアメリカでは、さまざまな特徴を持った人々の中から自社の企業風土に適した優秀な人材を採用するため、企業によって独自の様々な採用プロセスが存在しています。
そんなアメリカの有名企業の採用事情を深掘りする「アメリカ有名企業の採用プロセス」シリーズ。
第一回目はAmazon(アマゾン)に注目し、同社の採用フローや面接で使用される『STARメソッド』についてご説明しました。
第二回の今回は、Amazonと同様GAFAMの一角を占めるGoogleに注目。
独自の基準である「Googleyness(グーグルらしさ)」に焦点を当てた採用プロセスと、応募者が取るべき対策についてご紹介したいと思います!
1998年に設立され、世界最大の検索エンジン、オンライン広告、クラウドコンピューティング、ソフトウェア、ハードウェア関連の事業を展開し、ビッグ・テックの代表格として不動の地位を築いてきたGoogle。この大企業を支えるのは、優秀な人材の採用に他なりません。採用の際にGoogleが求めるのは、技術的スキルだけではなく、「Googleyness(Googleらしさ)」――つまり、協力的、創造的で未知に対しても柔軟な思考を持つ人物であると言われています。そしてその採用プロセスは、応募者がこれらの特性を持っているかを見極めるために細心の注意を払って設計されています。
具体的にどのようなプロセスなのか、早速見てみましょう!
Googleでは、採用に至るまでに約 2 か月間で 4 ~ 9 回の面接が行われると言われています。履歴書提出後の具体的な採用プロセスは、応募する職種により異なりますが、基本的には以下のような流れになっています。
最初の電話画面はチームメンバーまたはマネージャー候補との通話面接です。職種にもよりますが、一般的な所要時間は 30 ~ 60 分と言われています。
電話面接で問われる内容には、例えば以下のようなものがあります。
● ソフトウェア エンジニアの場合 : 60 分以上かけて電話面接を行う場合があります。コーディング セクションもあり、Google ドキュメントで答えを説明しながら完成させます。 SAT や GPA 等の記録を要求される場合もあります。
● UX デザイナーの場合 : UX デザイナーには、情報アーキテクチャやユーザー フローの開発、アプリの作成、Sketch での忠実度の高いモックアップの作成など、具体的なプロジェクトが割り当てられる場合があります。
https://www.google.com/about/careers/applications/how-we-hire/
現地面接では、一般的に45 分間の面接が 4 ~ 5 回行われます。1対1の面接もあれば、パネル面接の場合もあります。
Google では、同じ職務に応募している応募者に対し同じ面接手法を使って評価する「構造化面接」というアプローチを利用しています。構造化面接を行うと、応募した職務自体が構造化されていない場合でも、応募者のパフォーマンスを予測できるという調査結果があります。
構造化面接の質問例は以下の通りです。
● 技術職の場合 : 設計のホワイトボード作成やソリューションのコーディングなど、リアルタイムで技術的問題を解決することが期待されます。候補者は面接アプリを利用しながら、好みのプログラミング言語を選択できます。
● 非技術職の場合 : 応募者の経験と将来の目標を探るために、行動に関する質問が行われます。
インタビューの後、採用委員会が応募者の全体的なパフォーマンスをレビューし、採用の是非を決定します。採用委員会は、多くのシニアレベルのGoogle社員で構成されており、候補者について独自の意見を形成します。
最終面接では、応募者がGoogleの文化や価値観に適合するかどうかが評価されます。
その後、数週間以内にオファーが届きます。
オファーレターには福利厚生や給与に関する情報が記載されており、候補者には、オファーを拒否するか受け入れるかを決定するために少なくとも 2 週間の時間が与えられます。
以上が大まかな採用ステップです。
他の企業に比べて短いと言われているGoogle の採用プロセスですが、面接の回数は多く、質問もハイレベルなため、周到な用意が必要であることは言うまでもありません。
Googleが自社の従業員や求職者に期待する特定の属性や特性を表す非公式な用語として、「Googleyness(グーグルらしさ)」という言葉があります。
” Googleyness ” はGoogleの企業文化や価値観に深く根ざしており、採用プロセスにおいても重要な評価基準の一つとされています。
では、「Googleyness」には具体的にどのような要素が含まれるのか、見てみましょう。
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
※石角友愛の著書一覧
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