テスラ及びスペースXのCEOであるイーロン・マスク氏は、AppleがOpenAIとの提携を発表したことを受け、自社の従業員にAppleデバイスの使用を禁止する可能性を示唆しました。マスク氏は、自身のソーシャルメディアプラットフォーム「X」で一連の投稿を行い、AppleとOpenAIの提携がユーザー情報の保護に対してどのような影響を及ぼすかについて懸念を表明しています。
Appleは、長らく待望されていた人工知能(AI)分野への進出を月曜日に発表しました。この発表には、同社の音声アシスタント「Siri」のアップデートが含まれており、SiriがOpenAIの人気チャットボット「ChatGPT」を活用できるようになるというものです。Appleによると、ユーザーはChatGPTとのやり取りについて許可を求められ、そのリクエストや情報はログに記録されないとしています。
しかし、マスク氏はこの提携を「許容できないセキュリティ違反」であると強く非難しています。Appleが自社のOSレベルでOpenAIを統合する場合、Appleデバイスを禁止する意向を示したほか、自社の敷地内でのAppleデバイス使用を禁止すると述べました。さらに、自社の訪問者に対してAppleデバイスをドアで預けるよう要求することも明らかにしています。
マスク氏は2015年にOpenAIを共同設立し、2018年にその取締役会を退任しました。それ以降、同社およびCEOのサム・アルトマン氏に対して批判的な立場を取っています。3月にはOpenAIとアルトマン氏らを相手取って訴訟を起こし、同社が「人類全体の利益のためのAI開発」という創設時のミッションを放棄したと主張しました。またマスク氏は、OpenAI競合企業であるxAIのために60億ドルの資金調達を行っています。
マスク氏とAppleの対立は、AI技術の進展とそれに伴うプライバシー・セキュリティの懸念を浮き彫りにしています。マスク氏は、自社の従業員と訪問者のデバイス使用に関する厳しい措置を示唆することで、AppleとOpenAIの提携がもたらす潜在的なリスクを強調したといえるでしょう。今回のニュースから、AI技術の競争と企業間の戦略的提携がどのように展開するかを見ていく必要があるでしょう。
参考:https://www.cnbc.com/2024/06/10/elon-musk-to-ban-apple-devices-from-his-companies-over-openai-deal.html |