アメリカ最新AI情報満載!セミナーや講演情報など交えて毎週水曜配信 無料ニュースレター 下記へメールアドレスを入力し無料で登録
CLOSE
パロアルトインサイト/ PALO ALTO INSIGHT, LLC.
ブログBLOG
パロアルトインサイト/PALO ALTO INSIGHT, LLC. > PAIoneer PRO > AI > スタンフォード大の講義から学ぶ:グラフニューラルネットワークを用いたモデルの作成プロセス
スタンフォード大の講義から学ぶ:グラフニューラルネットワークを用いたモデルの作成プロセス
2024/08/07 ブログ, PAIoneer PRO, AI, The Insight 
by 辻 智範 

スタンフォード大の講義から学ぶ

グラフニューラルネットワークを用いたモデルの作成プロセス

 

 

こんにちは。パロアルトインサイト、データサイエンティストの辻です。今回は、Stanford Center for Professional Development (SCPD) で履修した「Machine Learning with Graphs」について、まとめを書きたいと思います。このクラスでは、グラフデータを用いた機械学習モデルとその応用について学びました。グラフ構造のデータは、ソーシャルネットワーク (SNS) のフォロワーのおすすめ、タンパク質相互作用の解析、ECサイトのおすすめ商品など、さまざまなビジネスで利用されています。他のデータと比べて、グラフデータはデータ同士の関係性を線で表現できる点が特徴的です。

このブログでは、Spotifyの「The Million Playlist Dataset」を使用して、グラフニューラルネットワークを用いたおすすめモデルの作成プロセスをご紹介します。

 

目次

グラフニューラルネットワーク (GNN)の利点

グラフニューラルネットワーク (GNN)の注意点

構築環境

ステップ1:学習データのダウンロード

ステップ2:学習データの準備

ステップ3:モデルの学習

まとめ

 


 

グラフニューラルネットワーク (GNN) は、従来のニューラルネットワークに比べていくつかの利点と注意点があります。

利点

  1. 関係性の捕捉: グラフデータは点と線で構成されており、GNNはこの構造を自然に活用してデータ間の関係性を学習します。これにより、ソーシャルネットワークや化学構造、道路網などの複雑なネットワークデータを効果的にモデル化できます。
  2. 高い表現力: グラフ構造は、非線形で複雑な関係を持つデータを表現するのに非常に適しています。GNNはこれらの関係性を考慮することで、単純な特徴量の組み合わせでは捕捉できない深いパターンを学習できます。
  3. 柔軟なデータ形式の対応: グラフデータは、多様な形式のデータを一つのモデルに統合するのに適しています。例えば、ユーザーの属性情報、行動履歴、ソーシャルネットワークの構造を同時に考慮することができます。

注意点

  1. 計算コスト: グラフデータは通常、大規模で複雑なため、GNNの訓練には多くの計算資源が必要です。また線の数が多い場合、その処理は非常に負荷が高くなります。
  2. 実装の複雑さ: グラフデータを扱うためのデータ前処理やモデル化作業は、従来のニューラルネットワークに比べて複雑です。適切なグラフ構造を設計し、それに基づくモデルを構築するには専門的な知識が必要です。
  3. データの依存性: グラフデータの質や構造に大きく依存するため、データが不完全だったりノイズが多かったりすると、モデルの性能に影響が出る可能性があります。

例えば、SNSをグラフデータで表現すると、それぞれのユーザーは点として、ユーザ同士の繋がりは線として表現ができます。またタンパク質相互作業分析では、タンパク質を点としてタンパク質間の相互作用を線として表現することで、各タンパク質が持つ特性や機能を、その相互作用ネットワーク全体の文脈で学習することができます。ECサイトでは、ユーザーと商品の関係をグラフ構造として表現できます。ユーザーを点、商品を別の種類の点とし、ユーザーと商品間の関係(購入履歴、クリック履歴、評価など)を線として表現することで、ECサイト全体を一つの大規模なグラフとして捉えることができます。

今回は公開されているSpotifyのデータを使用して、簡易版のおすすめモデルを作成したいと思います。

 

構築環境

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

NEWSLETTERパロアルトインサイトの
無料ニュースレター

毎週水曜日、アメリカの最新AI情報が満載の
ニュースレターを無料でお届け!
その他講演情報やAI導入事例紹介、
ニュースレター登録者対象の
無料オンラインセミナーのご案内などを送ります。

BACK TO BLOG
« »
PAGE TOP