テスラは、待望のロボタクシー「サイバーキャブ」を発表したものの、投資家の期待を大きく下回り株価が9%急落しました。イーロン・マスクCEOが主催したイベントでは、未来的な自動運転車のコンセプトやロボタクシーのビジョンが示されましたが、市場はその内容に対して厳しい反応を示しています。ここでは今回の発表の詳細と、それが投資家や業界に与えた影響について詳しく解説します。
今回のイベントで発表したロボタクシーは、銀色の小型二人乗りでステアリングやペダルがなく、完全自動運転を前提としたデザインです。マスク氏は、この車両が2027年以前に生産開始されることを目指していると述べ、価格は3万ドル未満で提供される予定と発表しました。しかし、この発表には具体的な製造場所や技術的詳細が乏しく、FSDシステムの進捗に関する新情報もなかったため、投資家は失望したのです。
ジェフリーズのアナリストは、「We, underwhelmed(私たちは期待外れ)」というタイトルでメモを公開し、バークレイズのアナリストも「具体的な進捗がない」と批判しました。テスラが目指す未来の自動運転のビジョンは示されたものの、FSD技術の現状に関するデータや改善状況が明確にされなかったことが、投資家の不安を助長したのです。
加えて、マスク氏は最大20人を運ぶことができる自動運転ロボバンの開発計画も発表しました。このロボバンは、高密度な輸送ニーズに応えるためのソリューションとして、スポーツチームの移動や貨物輸送などに活用される予定です。しかし、このプロジェクトについても具体的な技術的詳細や製造計画は明らかにされておらず、テスラの成長を支える短期的な材料としては期待が薄いと見られています。
ビジネスや生活への影響として、完全自動運転車が普及すれば、交通の効率化や物流コストの削減が期待されますが、技術的・法的な課題が多いため、まだ時間がかかるでしょう。テスラがこの競争の中でどのようにリードするかは、今後の戦略と技術的進展にかかっています。
参考:https://www.cnbc.com/2024/10/11/tesla-tsla-stock-drops-in-premarket-after-cybercab-robotaxi-reveal.html |